ACTでまな板の上の鯉状態をどう扱うか

まな板の上の鯉とは

「まな板の上の鯉」とはどういう状態かについて、詳しいことはこちらをご覧ください:他人の評価に自分を委ねる「まな板の上の鯉」になっていませんか?

簡単に要約すると「自分自身の評価について、他人の目だけを絶対的基準とする」という状態を指します。

ACTで「まな板の上の鯉」状態をどう乗り越えるか

(ACTについて詳しくはこちらを参照してください:不安や心理的な苦痛と”共に”社会生活を送るという方法に医学的な裏付けはあるのか)

人目を気にしている方がACTを実践することにより生じる最も重要な変化は、「自分で決められる」ということです。「どこに行きたいのか」「何をしたいのか」「自分は上手くやれているか」「どこか足りないところはあるか」など自分に関する事柄は自分で判断するという力強さが身についてきます。

最初はたどたどしく、また、間違えることもあります。そんな自分にクヨクヨする気持ちが湧いてきてもデタッチメントとマインドフルネスを活用して、自分で決めることを繰り返していきます。(デタッチメントとマインドフルネスについてはこちらを参照してください:人目が気になって「自分は変だ」と気持ちが落ち着かないときの対処法)

すると、他者の評価のみに依存していた自分の容姿・能力・価値などについて、「自分は大丈夫」「自分はやれている」という小さな自信が湧いてきます。不安や苦痛を抱えながらも一歩一歩あゆんできた過程が、振り返ってみると一本の道になっていると気が付いたとき、その自信はより強固になるでしょう。

「自分で決める」→「不安や苦痛を抱えながらも一歩一歩歩む」→「自分で決める」→ 「不安や苦痛を・・・」

この繰り返しで、他人の評価ばかり気にする「まな板の上の鯉」から「自分で空を舞う龍」へと鯉の滝登りのような成長を図ることができます。

ただし、ACTの実践は言うは易し行うは難しで、決して平たんな道のりではありません。今後も日常生活でACTを実践するコツを共有していきたいと思います。